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■ パンタグラフ型制震装置の概念
パンタグラフ型制震装置は、トグル機構と加速度に抵抗し振動モードを制御できるD.M.ダンパーを組み合わせたものです。鉛直変形などの軸方向変位を、トグル機構により水平変形に置換し、かつダンパーの変形量を大きく増幅させます。これを材軸方向が大きく変形する主柱材下層部の位置に配置し、軸方向変形を抑えるシステムとしています。
図 パンタグラフ型制震装置のしくみ
■ 施設情報(建物概要・設計者コメント)
建物概要
高さ:200m
S造(鋼管)
根開き:50m
昭和52年竣工
設計者コメント
本工作物は、火力発電所内の鉄塔支持型集合煙突です。塔状構造物では主柱材下層部の材軸方向変形が大きいため、最下部にトグル機構を組み込んだパンタグラフ型制震装置を配置し、軸方向変形を抑えるシステムとしています。また、鉄塔最下部に設置することで、施工や維持管理を容易にしました。本制震改修はD.M.ダンパーを使用した最適設計手法により設計しております。
■ 参考文献
- 1. ダイナミック・マス(D.M.)による高さ200m級鉄塔構造物の制震補強,(一社)日本免震構造協会, MENSHIN No.88, PP.15-19, 2015.5
- 2. Respone Control Systems by Tuned Dynamic Mass System for a 200-meter-tall tower-supported steel stack structure, 16th World Conference on Earthquake, 16 WCEE 2017, Paper ID 1363